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世界のコーヒー農園が抱える課題とは?美味しいコーヒーを守るための取り組み

美味しいコーヒーを守るための取り組み

 

imperfectでは、チョコレート、ナッツ、コーヒーといった製品の背後にある課題を重視しています。

これらの製品は、中南米、アフリカ、東南アジアといった世界各地の農園から来ており、それぞれが地域特有の課題を抱えています。そこで、imperfectではこれらの課題解決にむけて取り組むため、様々なプロジェクトを実施しています。

お客様がコーヒーやチョコレートにより感じる「おいしい」や、いつもの一杯を支えるために、生産農家が抱える課題への取り組みは必要不可欠。

本記事では、これらの取り組みについてご紹介していきます。

 

それぞれの国の課題に寄り添ったサポートを

それぞれの国の課題に寄り添ったサポートを

コーヒーは、北回帰線と南回帰線の間、いわゆる「コーヒーベルト」と呼ばれる地帯の約70カ国で生産され、世界中で愛されている飲料です。

主な生産地域は中南米、東南アジア、アフリカですが、これらの地域はそれぞれ異なる社会的課題を抱えています。

特に、世界最大の生産国であるブラジルでは、広大な平地に組織的に運営されている農園が多く存在しており、こうした農園では「自然環境との共存」や「生態系保全」が重要な課題とされています。

現在、ブラジルのコーヒー産業が直面している主な課題は、コーヒー生産にともなう地球環境への影響をどのように軽減していくかという点に集中しており、持続可能な農法への移行や環境保護策の実施が求められています。

世界第三位のコーヒー生産国であるコロンビアは、中小規模のコーヒー農園が中心であり、その多くが家族経営のため、農園で働く人々やその家族の日々の生活をより安定させることが求められており、そのためのサポートが必要とされています。

一方、東南アジアの国々、インドネシアでは、上述した国々とは経済状況が異なり、コーヒーの栽培や収穫を行うための道路等のインフラ整備や、安全な作業環境の整備が主な課題となっており、そのためのサポートが求められています。

imperfectでは、各国の経済状況やコーヒー栽培の具体的な状況に応じて、農家が直面する課題に対処できるようサポートを提供しています。

これにより、農家はその地域特有の問題を乗り越え、持続可能な生産活動を続けることができるようになるのです。このように、生産者と共に取り組んでいるプロジェクトは、地域に根ざした多様な形で展開されています。

単にサポートするだけでなく、農園ごとに丁寧に築いたネットワークを活かすことで、生産者が真に望むサポートを行うことができています。

私たちのアプローチは、単なるサポートを超え、持続的なコーヒー産業全体の発展だけでなく、農家の方々やその家族が自分たちで豊かに暮らせる環境を作れるようなサポートをすることを心がけています。

そしてこの活動は、高品質なコーヒーの生産につながり、その高品質なコーヒーを消費者に提供することに繋がっており、いわば未来のコーヒー産業を守るための重要な投資ともいえるのです。

未来のおいしい一杯を守るために

imperfectの代表:佐伯美紗子

2023年5月、imperfectの代表である佐伯美紗子は、コーヒーの苗木を贈るプロジェクトを確認するためベトナムを訪れました。

佐伯は現地の生産者たちと共に、コーヒーの苗木の植え替え作業に参加し、一緒に汗を流しました。

ベトナムのコーヒー栽培は1990年代後半から本格化しました。

コーヒーの木は25年から30年の寿命を持ち、現在が植え替えの適切な時期です。

しかし、まだ実がなるコーヒーの木を新しい苗木に更新する必要性が農家には伝わりにくいのが実情です。

この状況を放置すると、収穫量の減少が続き、次世代の農家がコーヒー栽培を放棄するリスクが高まります。この問題に対処するため、佐伯は苗木を提供し、植え替えを支援するプロジェクトを推進しています。

ベトナムでは多くの農家がコーヒーの他にさまざまな作物を栽培しています。佐伯が現地を訪れた際、農家の人々が家族の生計を支えるためにコーヒーを栽培している現実に改めて気づきました。

彼女は、コーヒー栽培がしっかりと収入をもたらし、魅力的な産業であると農家に認識してもらうことが重要だと感じています。

imperfectの挑戦は、未来のおいしい一杯を守るため、世界中で続けられています。

コートジボワールにおける豊かな資源と深刻な貧困問題

コートジボワールにおける豊かな資源と深刻な貧困問題

さらに、コートジボワールでは貧困が深刻な課題となっています。

西アフリカに位置するこの国は、サバンナや熱帯雨林に覆われ、豊かな自然環境に恵まれています。カシューナッツの他に、ココアやコーヒー、パーム油などの農産物が豊富であり、これらの農産物は国内外で重要な輸出品となっています。

豊かな農産物資源を持つ一方で農家の多くは貧困層に属しており、経済的な恩恵を十分に享受できていません。

その理由はなんなのでしょうか。

主な要因として挙げられるのは、土地の所有権を保有する人の偏りや、低い生産性と農業インフラの不足、健康・教育へのアクセスの不足、雇用機会の不足です。

コートジボワールの農地の所有権は不均衡であり、多くの農家は自分の土地を持たず、借地で農業を営んでいます。土地所有権が不確定なため、農家は長期的な投資や土地の改良ができず、生産性の向上が難しい状況にあります。

さらに、農村地域では、農業以外の雇用機会が非常に限られています。工業やサービス業の発展が遅れているため、農業以外で収入を得る手段がほとんどありません。

このため、農家は農業に依存せざるを得ず、多角的な収入源を持つことができないのです。特に女性は経済的自立が難しい環境にあります。

なぜなら​​南アフリカの多くの地域では、伝統的なジェンダー役割が根強く残っており、女性が家庭外で活動することが制限されているからです。農業においても、女性は補助的な役割にとどまり、意思決定の場に参加する機会が非常に限られています。

その結果、女性の声が反映されず、経済的な自立に向けた支援が行き届きません。

imperfectの取り組み「カシューナッツプロジェクト」

ミツバチ

ミツバチによって行われる「受粉サポート」はカシューナッツの栽培に欠かせません。

そこでimperfectが行っているカシューナッツプロジェクトでは、ミツバチの生息環境を改善する取り組みを行っているサプライヤーから商品に使用するカシューナッツを調達しています。売り上げの一部はカシューナッツ農家に直接還元されます。

さらに、ミツバチの巣箱の提供や、養蜂の指導、ミツバチとの共存方法の教育活動に充てられています。

ミツバチの巣箱はミツバチが安全に繁殖し活動できる環境です。そのため、巣箱の提供はミツバチの数を増やすサポートに繋がります。

また、養蜂の指導は農家が効果的にミツバチを管理できるようにします。これにより、ミツバチの健康を維持しつつ、受粉活動を最大化することに成功しました。

そして教育活動を通じ、農家が持続可能な方法で農業を行い、ミツバチを保護する意識を高めることができます。

 

 貧困に対するimperfectのプロジェクト

ミツバチ

また、コートジボワールの深刻な貧困問題に対し、imperfectは農家が安定した生活を送れるように収益の一部をプロジェクトに投入しています。

このプロジェクト最大のメリットは、養蜂が新たな雇用機会を創出する点にあります。養蜂活動を通じて、現地の女性農家に働く場を提供し、ハチミツの生産による副収入を得ることができるのです。

雇用機会の提供に伴い、養蜂技術の指導や必要な設備の提供が行われます。女性たちは養蜂の基礎から学び、専門的な知識を身につけることで、持続可能な収入源を確保できます。これにより、経済的自立が難しいとされる女性農家の生活が改善され、彼女たちの暮らしのサポートが実現しました!

imperfectのプロジェクトは、コートジボワールにおけるカシューナッツ農家への支援を通じて、複数の課題に対処しています。

ミツバチの生息環境改善や養蜂技術の指導、収入安定化、さらに、貧困問題にも着手し、女性農家に新たな雇用機会を提供することで経済的自立を促進しています。

imperfectは、地域の持続可能な発展を支える一翼を担い、農村コミュニティ全体の生活水準向上に貢献しています。