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ミツバチ減少がカシューナッツ農家に及ぼす影響とは?生産国コートジボワールで取り組むカシューナッツプロジェクト

カシューナッツ

お菓子や飲料などによく使用されるカシューナッツ。カシューナッツ特有の風味や味わいが特徴で、栄養価が高く、健康や美容にも効果があると注目のスーパーフードのひとつです。

そんなカシューナッツですが、実は、果実だということを皆さんは知っていましたか?

カシューナッツは、南アメリカ原産の落葉樹の果実。「カシューアップル」の先端部分にぶら下がっている種子の部分を加熱・乾燥・ロースト・殻むきなどの処理を行ったものです。

形は勾玉状で、モロッコでは「地中海のピスタチオ」とも呼ばれることがあり、栄養価が高く、特にミネラルや脂肪酸を豊富に含んでるのが特徴です。

日本では栽培はされていませんが、熱帯地方では広く栽培されており、世界一の生産国はアフリカのコートジボワールです。

そして、カシューナッツの生育にはミツバチによる受粉が不可欠。

ところが、ミツバチの減少が世界的な課題となっており、これがカシューナッツ農家に大きな影響を及ぼしています。

そこで今回の記事では、ミツバチの減少が及ぼす影響と、この課題に取り組むためにimperfectが行っている「カシューナッツプロジェクト」についてお伝えします。


 

カシューナッツ栽培にとってのミツバチの重要性

カシューナッツ

ミツバチは、カシューナッツの生産において非常に重要な役割を担っています。

カシューナッツは、ブラジル原産のカシューの木から採れる種子であり、実の一部として形成されます。

このカシューの木が健全に成長し、豊かな実をつけるためには、受粉が欠かせません。ここで重要な役割を果たすのがミツバチです。

ミツバチは花蜜や花粉を集めるために花から花へと飛び回ります。

この過程で、ミツバチの体毛に付着した花粉が、他の花の雌しべに移されることによって受粉が行われます。

カシューの木もこの受粉活動に依存しており、ミツバチが花粉を運ぶことで、実の形成が促進され、豊かな収穫が実現するのです。

ミツバチ減少がカシューナッツ農家に及ぼす影響とは

ミツバチ

人間にとって、ミツバチが果たす受粉作業や蜂蜜の生産は極めて重要であり、農業や食品生産に欠かせない存在です。

特にカシューナッツを含むナッツ類や果物、野菜などの多くの食料品は、ミツバチの受粉活動によって生産が支えられています。

さらに、蜂蜜は健康食品としてだけでなく、料理や菓子の原料としても広く利用されており、世界中で必要とされています。

しかし、2000年代以降、ミツバチの減少は深刻な問題となっています。

原因は多岐にわたりますが、主に病気や栄養不足、農薬の使用、環境変化、異常気象などが挙げられます。

カシューナッツ農家もミツバチによる受粉に大きく依存しているため、受粉が不十分だと生産量や品質に大きな影響を及ぼします。

具体的には、受粉不足により花が実を結ぶ確率が低下し、一つの木から得られるカシューナッツの数が減ってしまいます。

更に、カシューナッツのサイズが小さくなってしまったり、形が悪くなってしまったりと、収穫されるカシューナッツの品質も低下してしまうのです。

結果的に、受粉を確保するために人手を介した受粉作業が必要になる場合があります。

人工受粉は時間と労力、必要な技術、資材のコストがかかるため、農家にとって大きな経済的負担となってしまいます。このような負担は特に小規模農家にとっては大きな経済的圧力となり、カシューナッツ生産の継続が難しくなる可能性が大きいのです。

これにより、農家の収入が直接的に減少し、経済的にも打撃を受けやすくなります。

コートジボワールにおける豊かな資源と深刻な貧困問題

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さらに、コートジボワールでは貧困が深刻な課題となっています。

西アフリカに位置するこの国は、サバンナや熱帯雨林に覆われ、豊かな自然環境に恵まれています。カシューナッツの他に、ココアやコーヒー、パーム油などの農産物が豊富であり、これらの農産物は国内外で重要な輸出品となっています。

豊かな農産物資源を持つ一方で農家の多くは貧困層に属しており、経済的な恩恵を十分に享受できていません。

その理由はなんなのでしょうか。

主な要因として挙げられるのは、土地の所有権を保有する人の偏りや、低い生産性と農業インフラの不足、健康・教育へのアクセスの不足、雇用機会の不足です。

コートジボワールの農地の所有権は不均衡であり、多くの農家は自分の土地を持たず、借地で農業を営んでいます。土地所有権が不確定なため、農家は長期的な投資や土地の改良ができず、生産性の向上が難しい状況にあります。

さらに、農村地域では、農業以外の雇用機会が非常に限られています。工業やサービス業の発展が遅れているため、農業以外で収入を得る手段がほとんどありません。

このため、農家は農業に依存せざるを得ず、多角的な収入源を持つことができないのです。特に女性は経済的自立が難しい環境にあります。

なぜなら​​南アフリカの多くの地域では、伝統的なジェンダー役割が根強く残っており、女性が家庭外で活動することが制限されているからです。農業においても、女性は補助的な役割にとどまり、意思決定の場に参加する機会が非常に限られています。

その結果、女性の声が反映されず、経済的な自立に向けた支援が行き届きません。

imperfectの取り組み「カシューナッツプロジェクト」

ミツバチ

ミツバチによって行われる「受粉サポート」はカシューナッツの栽培に欠かせません。

そこでimperfectが行っているカシューナッツプロジェクトでは、ミツバチの生息環境を改善する取り組みを行っているサプライヤーから商品に使用するカシューナッツを調達しています。売り上げの一部はカシューナッツ農家に直接還元されます。

さらに、ミツバチの巣箱の提供や、養蜂の指導、ミツバチとの共存方法の教育活動に充てられています。

ミツバチの巣箱はミツバチが安全に繁殖し活動できる環境です。そのため、巣箱の提供はミツバチの数を増やすサポートに繋がります。

また、養蜂の指導は農家が効果的にミツバチを管理できるようにします。これにより、ミツバチの健康を維持しつつ、受粉活動を最大化することに成功しました。

そして教育活動を通じ、農家が持続可能な方法で農業を行い、ミツバチを保護する意識を高めることができます。

 

 貧困に対するimperfectのプロジェクト

ミツバチ

また、コートジボワールの深刻な貧困問題に対し、imperfectは農家が安定した生活を送れるように収益の一部をプロジェクトに投入しています。

このプロジェクト最大のメリットは、養蜂が新たな雇用機会を創出する点にあります。養蜂活動を通じて、現地の女性農家に働く場を提供し、ハチミツの生産による副収入を得ることができるのです。

雇用機会の提供に伴い、養蜂技術の指導や必要な設備の提供が行われます。女性たちは養蜂の基礎から学び、専門的な知識を身につけることで、持続可能な収入源を確保できます。これにより、経済的自立が難しいとされる女性農家の生活が改善され、彼女たちの暮らしのサポートが実現しました!

imperfectのプロジェクトは、コートジボワールにおけるカシューナッツ農家への支援を通じて、複数の課題に対処しています。

ミツバチの生息環境改善や養蜂技術の指導、収入安定化、さらに、貧困問題にも着手し、女性農家に新たな雇用機会を提供することで経済的自立を促進しています。

imperfectは、地域の持続可能な発展を支える一翼を担い、農村コミュニティ全体の生活水準向上に貢献しています。