コーヒーチェリーとは?美容と健康に良いスーパーフードに隠された廃棄問題
みなさんは、コーヒーの実をご存知ですか?わたしたちが普段飲んでいるコーヒーからは想像がつかないほど真っ赤な色をしており、まるでさくらんぼのような見た目をしています。
この記事では、コーヒーの実とはどのような実なのか、コーヒーを取り巻く社会課題やimperfect表参道の取り組みについてご紹介していきます。
コーヒーの実「コーヒーチェリー」とは?
コーヒーチェリー(コーヒーの実)とは、コーヒーの木(アカネ科コーヒーノキ属に属する植物)の種子のことを言います。
一般的にわたしたちが手にするコーヒー豆は、このコーヒーチェリーの中に向かい合わせで入っている2粒の種子部分を丁寧に摘み取り、色・形・大きさなどを選別し、焙煎されたものになります。
コーヒーチェリーは、ジャスミンのような香りを放ち真っ白な花を咲かせるのが特徴です。花がしぼんだあとは、緑色の楕円形の実ができ、完熟すると真っ赤になります。この見た目や大きさが、さくらんぼに似ていることから「コーヒーチェリー」と呼ばれるようになりました。
実は、コーヒーチェリーの赤い果皮部分や果肉部分は、世界中の多くのコーヒー産地で廃棄されています。しかし、その自然な甘みと独特の酸味から、古くからコーヒーの発祥地であるエチオピアでは、紅茶のように煮出して愛飲されてきました。コーヒーチェリーの甘みや酸味は、焙煎されたコーヒー豆にはない独自の味わいを持っています。
さらに、コーヒーチェリーの赤い色は高い抗酸化作用を持つポリフェノールに由来しており、美容と健康に良いスーパーフードとして、近年欧米を中心に大きな注目を集めています。
コーヒー豆の精製過程で出る果皮・果肉が環境負荷の一因にも!?
コーヒーチェリーの廃棄問題は重大な環境的および社会的な課題です。現状として、豆を精製する過程で出るコーヒーチェリーの果皮や果肉の部分などは廃棄されており、その量は年間2000万トンともいわれています。
さらに、適切な処理がなされないまま廃棄されると、地中に埋められた果皮が発酵し、メダンガスを発生させます。メタンガスの発生は、温室効果ガスとして気候変動に寄与するため、環境への負担が非常に大きいです。また、コーヒーの栽培時につかわれた化学肥料や農薬が残留していると、土壌や川を汚染するおそれもあります。
果皮や果肉部分の活用方法を見つけることは、持続可能なコーヒー生産への一歩となります。例えば、
- コーヒーチェリーの果肉を発酵させて動物飼料や肥料として利用する
- 抽出して天然色素や抗酸化剤として利用する
- ポリフェノールが豊富なコーヒーチェリーを活用した健康食品や化粧品の原料として利用する
などの方法が考えられます。
通常、捨てられるはずだった果皮や果肉をアップサイクルすることで、フードロスと環境負荷を減らせる上にコーヒー生産者にとって副収入の源となり、収入アップにも繋がります。
また、コーヒー生産においては、化学肥料や農薬の使用を減らし、オーガニックや持続可能な栽培方法へのシフトも重要です。これにより、副産物が環境に及ぼす悪影響を減らすことができるでしょう。
このような取り組みは、地球環境の保全だけでなく、コーヒー産業の持続可能性を高めるためにも非常に重要なアプローチだと言えるでしょう。
コーヒーをまるごと楽しめるドリンク「コーヒーチェリーティ」
imperfectでは、ローズヒップのような爽やかな酸味とまろやかな甘みが特徴の「コーヒーチェリーティ」を取り扱っています。
コーヒーの生産国では、コーヒーチェリーを使用した紅茶は古くから親しまれており、ポリフェノールや鉄分、食物繊維、カリウムを豊富に含むことから、美味しさとともに健康にも良い飲み物として知られています。
「コーヒーチェリーティ」を通じて、コーヒーの新たな美味しさを体験いただき、同時にコーヒーを取り巻く社会課題や環境への課題についても、知っていただくきっかけになればと思います。
コーヒーをまるごと楽しんで「もったいない、を おいしい」に。
世界中のコーヒー農家が持続可能なコーヒー栽培を継続できることで、環境にも、コーヒー農家にも、わたしたち消費者にも良い世界と社会にしていけるのではないでしょうか。
■imperfect表参道
「たとえ不完全な取り組みだとしても、自分たちでできることから、少しでも世界と社会をよくしていこう」という想いから、「imperfect(=不完全)」は生まれました。「imperfect」のコンセプトは、お客様に「おいしい(well)」食べ物を提供するだけでなく、社会や農家にもよい(wellな)影響を与えるWell Foodを提供することです。このコンセプトのもと、imperfectは農家の自立を支援し、環境に配慮した原材料を使用したスイーツやコーヒーを販売しています。