スペシャルティコーヒーとは、一言でいうと、高品質でおいしいコーヒーのことです。
本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)によると、下記のように定義されています。
消費者(コーヒーを飲む人)の手に持つカップの中のコーヒーの液体の風味が素晴らしい美味しさであり、消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること。 |
この記事では、スペシャルティコーヒーにまつわる
などを解説します。
スペシャルティコーヒー(specialty coffee)とは?
スペシャルティコーヒー(specialty coffee)は栽培から収穫、精製、選別、輸送にいたるまで適切に管理され、高品質で味や風味が良いコーヒーのことを指します。
日本スペシャルティコーヒー協会により、スペシャルティコーヒーは下記7つの基準で厳しく評価されています。
1.カップ・クオリティ
2.甘さ
3.酸味
4.質感
5.風味の地域特性
6.余韻
7.風味のバランス
一般的なコーヒーはブラジルやコロンビアなど大まかな産地で区別されるのに対して、スペシャルティコーヒーは、生産者の農園から輸送まで流通経路も管理されているため、農園の名前で流通するコーヒー豆もあります。
丁寧に育てられたコーヒー豆は栽培地の特性を色濃く反映し、雑味がないクリアな味や上品な香りで楽しませてくれます。
スペシャルティ?スペシャリティ?
スペシャルティコーヒー(specialty coffee)とスペシャリティコーヒー(speciality coffee)は発音やスペルが異なりますが意味は同じです。
specialty(スペシャルティ)はアメリカ英語で、speciality(スペシャリティ)は主にイギリス英語です。
コーヒー界隈では「スペシャルティコーヒー」の名で通っています。
スペシャルティコーヒーとサードウェーブコーヒーの関係とは?
コーヒー界隈で語られる「ファーストウェーブ」「セカンドウェーブ」「サードウェーブ」という言葉はコーヒーの消費の在り方のトレンドを表します。
ファーストウェーブ |
19世紀ごろ |
大量生産大量消費が優先され、焙煎度合いは浅煎りが流行。 |
セカンドウェーブ |
1960年ごろ |
スターバックスなどのシアトル系コーヒーチェーンにより広がったムーブメントで、深煎りが流行。カフェラテなどを楽しむ。 |
サードウェーブ |
2000年代ごろ |
スペシャルティコーヒー豆を使って品質や風味だけではなく、焙煎や抽出方法などにもこだわり、個性豊かで味わい深いコーヒーを楽しんだり体験したりとモノ消費からコト消費へシフト。 |
つまり、サードウェーブはコーヒーを品質、素材、抽出方法などさらにこだわりオリジナリティあふれた上質なコーヒーを楽しむ動きです。
日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)が設立されたのが2003年、そこから「スペシャルティコーヒー」の認知が徐々に広がりはじめ、サードウェーブコーヒーが日本に上陸した2015年と同じころに、スペシャルティコーヒーのブームも到来しました。
スペシャルティコーヒーの歴史
「スペシャルティコーヒー」という概念は1980年頃のアメリカで誕生しました。
実はコーヒーは「安く、薄く、そんなにおいしくないもの」というイメージがついていた時代がありました。
1960年代〜70年代、東西冷戦下でのアメリカによって中南米諸国の共産主義化防止策としてコーヒーは、大量に安く買い叩かれていました。そのことによって生産国の品質低下、味の低下につながっていたのです。消費も低迷していました。
そのような中、コーヒー豆の適正価格を見直し、品質向上とそれにともなう消費の増加を目的として、1982年にアメリカスペシャルティコーヒー協会(SCAA)が設立されました。
そして、「スペシャルティコーヒー」という概念が生まれました。
現在では高品質でおいしいコーヒーの持続的な供給を実現するため、欧米や日本のスペシャルティコーヒー協会(SCAJ)が、スペシャルティコーヒーの普及を推進しています。
日本スペシャルティコーヒー協会が設立されたのは、それより20年以上もあとの2003年。
2003年以降、日本での「スペシャルティコーヒー」の認知が徐々に広がり、現在に至ります。
スペシャルティコーヒーの特徴5つ
スペシャルティコーヒーには5つの特徴があります。
- 品質が優れている
- 味はクリアでおいしく香り高い風味
- 希少性がある|推定では流通量は全体の10%
- トレーサビリティ|農園の生産者の顔が見える安心感がある
- サステナビリティ|持続可能性がある
1.品質が優れている
スペシャルティコーヒーは一般的なコーヒーの品質評価基準とはことなり、「甘さ」や「酸味」「質感」など7つの基準で厳しく評価されています。
栽培環境、収穫後の工程(精製、選別、保管)なども管理され、基準に達したコーヒーのみがスペシャルティコーヒーと呼ばれます。
コーヒーの管理状態が悪いと豆にカビが生えたりすることもあるため、欠点豆のきわめて少ないスペシャルティコーヒーは、消費者のからだにやさしいコーヒーとも言えます。
2.クリアでおいしく、香り高い風味
生産者により適切に管理されたスペシャルティコーヒーは、欠点豆の混入がきわめて少ないです。欠点豆の不快な風味にかき消されることなく、おいしい農園固有の風味をクリアに楽しめるのも特徴です。
農園固有の栽培環境を色濃く反映した個性的な味や風味は、コーヒー愛好家を魅了しています。
3.希少性がある|推定では流通量は全体の10%
生産から流通までの管理が適切におこなわれ、なおかつ、スペシャルティコーヒー協会による評価基準をクリアしたコーヒー豆のみが、スペシャルティコーヒーと呼ばれるようになります。
この高い条件をクリアできるコーヒー豆はそう多くありません。
日本のスペシャルティコーヒー協会の推定によると、流通量は全体の約10%と少なく、希少性が高いことがわかります。
※スペシャルティコーヒー市場調査2022 要約 4ページ目|日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ))
4.トレーザビリティ|農園の生産者の顔が見える安心感がある
コーヒーを生産する農園からの流通経路を一貫して管理(トレーサビリティ=原材料の調達から生産、そして消費または廃棄まで追跡可能であること)することで、消費者はコーヒーを生産する農園を選んでスペシャルティコーヒーを購入できます。
そのため、好みの農園を選んで購入したり、様々な農園のコーヒーを飲み比べてみたりといった楽しみ方も。
5.サステナビリティ|持続可能性がある
スペシャルティコーヒーは、良質なコーヒーが正当に評価され、生産者に適切な対価が支払われることを大事にしています。
例えば、購入代金の一部が生産者にも適切に還元されることにより、コーヒーに適した栽培環境が計画的に整えられることにつながります。
このような好循環が続くと、栽培環境が計画的に改善され、土壌も良くなっていきます。
スペシャルティコーヒーには持続可能性があると言えるでしょう。
スペシャルティコーヒーの評価基準7つ
スペシャルティコーヒー協会(SCA)の下記の評価基準7項目にもとづいて評価・採点し、合計100点のうち、80点以上の基準をクリアしたものがスペシャルティコーヒーと呼ばれます。
評価項目 |
詳細 |
カップ・クオリティ |
カップ・クオリティは、コーヒー豆の品質のこと コーヒーの栽培地特性「Terroir(テロワール)」がはっきりしていること。
※Terroir(テロワール):特別な地理的・気象的条件、栽培技術、精製処理技術などを根拠に特性づけられる、コーヒーの栽培地特性。 |
甘さ |
コーヒー豆は、収穫時の熟度のばらつきや、焙煎度合い、苦みや酸味、渋みなど他の風味の要素との兼ね合いで、甘さの印象が変化する。 |
酸味 |
焙煎度合いが浅いほどフルーティーな酸味を楽しめる。 コーヒー豆がコーヒーチェリーというフルーツの種子であることを思い出させてくれるほどの、明るくさわやかで繊細な酸味が評価の対象。
良質な酸味は、甘さやほろ苦さ、コクなどと相まってコーヒーの風味に爽快さや奥行きを与え、よいアクセントになる。
一方で、刺激が強調されたりコーヒー豆の劣化により不快に感じられたり、ぼやけてキレがなかったりする酸味は評価が低く、スペシャルティコーヒーとは認められない。 |
口に含んだ質感 |
軟水や硬水では舌で感じられる感覚が異なるように、コーヒーも口に含んだ質感に違いがある。 コーヒーは、水より複雑な成分で構成されており、口に含むと質感(感覚)として、粘り気や濃さ、舌触り、などが感じられる。 |
風味の地域特性(Terroir)のプロフィール |
生産された地域や農園を特定できるように、スペシャルティコーヒーの流通過程にはトレーサビリティが導入され管理されている。
スペシャルティコーヒーは、農園などの地域特性を色濃く反映した情報が表現されているかを評価する。 |
余韻(アフターテイスト) |
コーヒーを飲み込んだ後の風味や印象などの余韻も評価の対象となる。
のどを潤すようなやさしい甘さで、他の風味と調和しながらフェードアウトするような余韻が、スペシャルティコーヒーには必要とされる。 |
風味のバランス |
風味を構成する甘みやほろ苦さ、コク、酸味などの調和がとれ、不快に感じるほど突出した要素がないか、また、物足りなさを感じないかなどコーヒーの風味のバランスを評価する。 |
スペシャルティコーヒーの2つの魅力と楽しみ方
スペシャルティコーヒーには下記のようにシングルオリジンとブレンドの2つの魅力と楽しみ方があります。
シングルオリジン|農園ごとの個性的な風味を楽しめる
シングルオリジンとは、コーヒーを生産国という大雑把な分類ではなく、農園や生産者、製法ごとに分類した銘柄のことです。農園などの産地情報が特定できるため、地域特性を色濃く反映した個性的なコーヒーを楽しめます。
ブレンド|いろいろな風味のハーモニーを楽しめる
ブレンドとは、複数の種類のコーヒー豆を合わせたものです。農園どうしの地域特性を調和させた風味を楽しむことができます。
【ギフトにも最適】おいしいおすすめのスペシャリティコーヒー
オンラインで手軽に購入できるおいしいスペシャルティコーヒーをご紹介します。
贅沢なコーヒータイムを楽しみたい方におすすめです。
スペシャルティコーヒー水準のコーヒー豆4選
最高品質のスペシャルティコーヒー水準のコーヒー豆の4選をご紹介します。
1. シグネチャーブレンド|ローストナッツやカラメルを思わせる香ばしい風味
個性豊かなコーヒー豆のなかで相性のよいブラジルやグアテマラ、インドネシア、タンザニアの4種類をブレンド。
ローストナッツやカラメルを思わせる香ばしい風味が、ミルクとよく合います。
2. ブラジル イパネマ農園|ちょっぴりビターで柑橘を感じさせるオランジェット風
ブラジル イパネマ農園の標高1,800mにある高品質なコーヒー栽培に適したB73区画で採れた、イエローブルボン種のコーヒー豆です。
コーヒーチェリーが黄色く熟してから丁寧にハンドピックし、ナチュラル製法で処理した後、天日乾燥しました。
タンジェリンなど柑橘系のフルーティーでさわやかな酸味が特長で、深めの焙煎度合いでは、アーモンドのような香ばしいナッツ、ビターチョコのようなほろ苦さが楽しめます。
3. ザンビア ノーザンコーヒー農園|ビターでシトラス系のフルーティーな風味!
少しピール感のあるグレープフルーツとシトラス系のフルーティーな酸味とダークチョコのほろ苦さが加わりしっかりしたボディが感じられます。
クローブのちょっぴりスパイシーでのどを潤すような甘みが余韻として感じられます。
4. グアテマラ サンタ・ローザ アヤルサ|フルーティーな風味で優しい甘さの余韻が楽しめる!
プラムのフルーティーですっきりとした酸味がさわやか。
チョコのほろ苦さがアクセントに。
キャラメルの香ばしい甘さがのどを潤し、風味のバランスが絶妙なシングルオリジンコーヒーです。
スペシャルティコーヒー水準のコーヒー豆のドリップバックセット3選
ギフトにも最適なドリップバックセット3選を下記で紹介します。
1. 【送料無料】コーヒーBOX(コーヒードリップバッグ6種セット)
シングルオリジンのコーヒーを6種類、各2袋ずつ合計12袋のアソートです。
個性豊かなコーヒーのなかで、お気に入りのコーヒーを見つけてみるのはいかがでしょうか。
2. 【箱入り】ドリップバッグコーヒー8袋セット(サンクスブレンド)
相性のよい3種のコーヒーをブレンド。
シーンを選ばず楽しめる、風味のバランスが絶妙で、味わい深いコーヒーに仕上がっています。
個包装されたパッケージから取り出したドリップバックにお湯を注ぐだけで最高等級のコーヒーが手軽に楽しめます。
お世話になった方に「ありがとう」の気持ちを込めて贈るプレゼントに最適です。
3. 【箱入り】ドリップバッグコーヒー8袋セット(各産地セット)
人気の最高等級コーヒー11種類の中からお任せで8袋を選定してお届け。
ドリップバック方式なので、個包装されたパッケージを開封して、カップにセットしお湯を注ぐだけで手軽に、おいしいコーヒーが楽しめます。
シンプルながら清潔感のある上品でスタイリッシュな箱に入っているので、自宅はもとより、ワンラック上のギフトとしても喜ばれます。
スペシャルティコーヒー水準のコーヒーが楽しめるギフトセット2選
ギフトセット2選を下記で紹介します。
1. ペアリング ギフトセット Blackセット|コーヒーとチョコレートのコラボレーション
imperfectのバリスタが考案した、シングルオリジンコーヒーのドリップバッグとチョコレートバーク2種のペアリングセットです。
最高等級のシングルオリジンコーヒーによくあう「チョコレートバーク ナッツ&クランベリー」をセットにしました。
コーヒーはドリップバック式なので、手軽においしいコーヒーを楽しめます。
日頃がんばっている自分へのご褒美や、箱入りなのでギフトにも最適です。
2. ペアリング ギフトセット Whiteセット|コーヒーとストロベリー入りホワイトチョコのコラボ
imperfectのバリスタが考案した、コーヒードリップバッグとチョコレートバーク2種のペアリングセットが新登場!
いちごがちりばめられたホワイトチョコのさわやかな酸味と、相性のよいシングルオリジンコーヒーを2つ厳選しました。
コーヒーはドリップバック式なので、手軽においしいコーヒーを楽しめます。
https://imperfect-onlinestore.com/shop/products/Gift_Set_PW2024
スペシャルティコーヒーのおいしい淹れ方
スペシャルティコーヒーの美味しさを最大限に引き出すには、コーヒーの淹れ方も大切です。
ご家庭でも手軽にできるペーパーフィルターを使ったドリップの方法を解説します。
- 豆を挽いておく
豆は中挽きをおすすめします。
粗めに挽くと雑味が少なくクリアな風味が楽しめますが、薄くなりがちなので少し多めに粉を用意します。
細かく挽くと雑味が出やすくなりますが、濃い目のテイストに仕上がります。
- お湯を沸かします
美味しく楽しめるお湯の温度は85~95℃です。
温度が低めだと薄味に、高めだと苦さやえぐみが増すので好みに応じて温度を調節しましょう。
- 器具を温めておく
ドリッパーとサーバー、カップにお湯を注いで事前に温めておくと、コーヒーが冷めにくいので、美味しく仕上がります。
- ドリッパーにペーパーフィルターをセットし、コーヒー豆の粉を入れて軽く揺すり、粉の表面を平らに整えます。
- 蒸らし(20~30秒程度)
お湯が粉全体の内部まで満遍なくしみ込むように「の」の字を描くようにゆっくり注ぎます。
均一に注ぎ終わってから20~30秒間蒸らします。
蒸らしている間に小さな粉の内部まで水が浸透し、代わりに焙煎時にできたガスが放出されます。
その結果、焙煎してから日の浅い新鮮なコーヒー粉では、モコモコとドーム状に勢いよく盛り上がります。
- 抽出(40~60秒程度)
糸のように細く「の」の字を描きながら、粉の上にお湯がたくさんたまらない程度に注ぎ、程よく水分が抜けるまで待ち、また注ぐという工程を3〜4回繰り返します。
一度にお湯を注いでも粉の上部にたまり、サイドからすり抜けてコーヒーが薄くなります。
3〜4回にわけて注ぐことで、コーヒー豆のおいしい成分を余すことなく抽出できるので風味豊かなコーヒーに仕上がります。
スペシャルティコーヒーを知っておいしく楽しもう
スペシャルティコーヒーは、栽培から流通まで適切に管理され、クリアで美味しくてからだにもやさしいコーヒーです。
生産された農園が分かるスペシャルティコーヒーを選んで購入することで、生産農家の方に適切に利益が還元されることにもつながり、持続可能なコーヒーの生産にもつながります。
imperfectでは、世界中の農家と関係性を構築し、厳選されたスペシャルティコーヒー水準のコーヒー豆各種を取り扱っています。
「あなたの『おいしい』を、だれかの『うれしい』に。」をコンセプトに、良い世界の実現に向けて、imperfectはおいしいコーヒー豆をみなさまにお届けします。
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imperfectは今後も、「たとえ不完全(imperfect)でも自分たちにできることから取組み、世界と社会を少しでもよくしていこう」という想いのもと、世界中の農家の方たちとともに持続可能な社会の実現に向けて取組んでいきます。
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