まずは基本から。植物性ミルクとは?
まずは、植物性ミルクがどんなものか、その定義や基本的な種類から見ていきましょう。
なぜミルクと呼ばれるの?原料と作り方を解説
植物性ミルクは、その名の通り植物由来の原料から作られる飲料です。
主な原料は、大豆などの豆類、アーモンドやカシューナッツといったナッツ類、オーツ麦や米などの穀類です。
これらの原料を細かく砕き、水と混ぜ合わせた後、布などで濾して作られます。
この製造工程を経ることで、牛乳のような白く滑らかな液体になるため、ミルクという名前で呼ばれているのです。
豆乳、オーツミルク、アーモンドミルク…代表的な種類を紹介
さまざまな植物性ミルクがあるなか、ここでは特に代表的な 4 つの種類をご紹介します。
それぞれ原料が異なるため、風味や栄養、舌触り(口当たり)にも個性があります。
- 豆乳
日本で最も古くから親しまれている植物性ミルク。原料は大豆で、豊かなコクと特有の風味が特徴です。 - アーモンドミルク
アーモンドを原料とし、香ばしいナッツの風味とすっきりとした後味が人気です。 - オーツミルク
オーツ麦(えん麦)から作られ、自然な甘みとクリーミーな口当たりで近年急速に市場を拡大しています。 - ライスミルク
米を原料としており、アレルギーの懸念が少なく、あっさりとした優しい甘みが特徴です。
気になる牛乳との違いを徹底比較
原料と栄養面での主な違い
最も根本的な違いは、その由来です。牛乳が牛の乳であるのに対し、植物性ミルクは豆やナッツ、穀物といった植物から作られます。この原料の違いが、栄養成分に大きな差をもたらします。
| 項目 | 牛乳 |
植物性ミルク |
| 主原料 | 牛の乳 | 大豆、アーモンド、オーツ、麦、米など |
| タンパク質 | 豊富 | 原料による(豆乳は豊富) |
| 脂質 | 乳脂肪 | 植物性脂肪 |
| コレステロール | 含む | 含まない |
| 乳糖(ラクトース) | 含む | 含まない |
| 食物繊維 | 含まない | 含んでいる場合が多い(特にオーツミルク) |
ポイント:
- コレステロール
植物性ミルクには(動物由来の)コレステロールは含まれていまん。 - 乳糖(ラクトース)
植物性ミルクには、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする原因の一つとされる乳糖が含まれていません。 - 栄養価の多様性
植物性ミルクの栄養価は、製品によって大きく異なります。
例えば、カルシウムやビタミン類が添加されている製品も多くあります。
味や使い方の違いは?牛乳の代わりになる?
牛乳の代わりというよりは、それぞれに良さがある新しい選択肢と考えるのがおすすめです。
- 風味
牛乳には特有の乳風味とコクがありますが、植物性ミルクは原料由来の風味が強く出ます。
豆乳は大豆の風味、アーモンドミルクはナッツの香ばしさ、オーツミルクは穀物の自然な甘みが感じられます。 - 使い方
料理やお菓子作りにおいて、牛乳を植物性ミルクに置き換えることは可能です。
しかし、風味が異なるため、仕上がりの印象は変わります。
例えば、クリームシチューにオーツミルクを使えばよりクリーミーで優しい甘みに、豆乳を使えばコク深い仕上がりになります。
乳糖不耐症など、お腹の調子が気になる方へ
牛乳に含まれる「乳糖(ラクトース)」は、体内の分解酵素が少ない人がお腹の不調を感じる一因とされています。
植物性ミルクにはこの乳糖が含まれていないため、牛乳が体質に合わない方でも、カフェラテなどを楽しむ選択肢になります。
なぜ人気?植物性ミルクが選ばれる 3 つの理由

植物性ミルクが注目される背景には、大きく 3 つの理由があります。
1.健康や美容への意識から
牛乳と比較して、植物性ミルクには以下のような特徴を持つ製品が多く見られます。- 低カロリー・低脂質
製品にもよりますが、牛乳に比べてカロリーや脂質が低い傾向にあります。 - コレステロールフリー
前述の通り、植物由来のためコレステロールを含みません。 - 原料由来の栄養素
アーモンドミルクに含まれるビタミン E や、オーツミルクに含まれる食物繊維(β-グルカン)など、原料由来の栄養素を摂取できる点も魅力です。
日々の食生活を少しでもヘルシーにしたい、というニーズが植物性ミルクの人気を支えています。
2.食の多様性とアレルギーへの配慮
- 多様な食生活への対応
動物性食品を避けるヴィーガンやベジタリアンの方々にとって、植物性ミルクは料理や飲み物にコクやクリーミーさを加えるための貴重な食材です。 - アレルギー対応
牛乳アレルギーを持つ人々にとって、植物性ミルクは安全な代替品となります。
特にライスミルクは、主要なアレルゲン(乳、卵、小麦、そば、落花生、えび、かに)を含まない製品が多く、アレルギーが気になる方にとっての選択肢となります。
3.環境への配慮という新しい価値観
サステナビリティ(持続可能性)への関心の高まりも、植物性ミルクが選ばれる重要な理由の一つです。
一般的に、植物性ミルクの生産は、畜産である牛乳の生産に比べて、使用する土地や水の量が少なく、排出される温室効果ガスも少ないとされています。
環境負荷の少ない製品を意識的に選ぶ「エシカル消費」という考え方が広まる中で、植物性ミルクは地球環境に配慮した選択肢として支持を集めています。
私たち imperfect も、「たとえ不完全(imperfect)でも自分たちにできることから」という想いのもと、生産者の方々と共に環境に配慮した農法をサポートしています。
日々の選択が、世界を少し良くすることに繋がる。
そんな考え方が、植物性ミルクの広がりを支えているのかもしれません。
【imperfect のこだわり】コーヒーとの最高のペアリング

ラテアートにはオーツミルクがおすすめ
カフェで見るような美しいラテアート。実は、ミルクの泡(フォーム)の質が非常に重要です。
きめ細かく滑らかな泡を作るには、ミルクのタンパク質と脂質のバランスがカギとなります。
オーツミルクは、製品にもよりますが(特にバリスタ向けに作られたものなど※)、このバランスが良く、質の良い泡(マイクロフォーム)を作りやすい傾向があります。
このマイクロフォームが、口当たりの良いカフェラテを作るための秘訣なのです。
コーヒーの風味を主役にしつつ、自然な甘みを加えてくれる点が、多くのバリスタに支持される理由です。
※カフェでの使用を想定し、泡立ちやコーヒーとの相性を調整した製品。一部のスーパーやオンラインストアなどで購入できます。
豆の風味を活かすならアーモンドミルク
コーヒーは、産地や焙煎度合いによって、実にさまざまな風味を持っています。
このコーヒー豆が持つ個性を、植物性ミルクとのペアリングでさらに引き出すことができます。
アーモンドミルクは、製品に含まれる砂糖の有無やナッツの風味の強さによって、コーヒーと合わせたときの印象が大きく変わるのが特徴です。
そのため、ひとつの正解を探すよりも、お気に入りのコーヒー豆と、いくつかのアーモンドミルクを試して、自分だけの組み合わせを見つける楽しみがあります。
まずは、砂糖不使用のものと、甘みのあるタイプの両方を試してみて、味わいの違いを楽しんでみてはいかがでしょうか。
自宅で試す際の注意点:分離させないコツ
ご家庭で植物性ミルク入りのコーヒーを作った際に、ミルクが固まってしまった(分離した)という経験はありませんか?
これは、コーヒーが持つ酸と、ミルクのタンパク質が急激な温度変化によって反応することで起こります。
この分離を防ぐための簡単なコツが 2 つあります。
- ミルクを少し温める
冷たい植物性ミルクを熱いコーヒーに直接注ぐと、温度差で分離しやすくなります。ミルクを電子レンジなどで 70℃程度に温めてから注ぐだけで、分離は格段に防げます。 - 酸味の穏やかな豆を選ぶ
深煎りのコーヒー豆は、浅煎りに比べて酸味が穏やかな傾向があります。分離が気になる場合は、まずは深煎りの豆で試してみるのがおすすめです。
知っておきたい植物性ミルクの注意点(デメリット)

植物性ミルクの魅力を活かすために、知っておきたい注意点を 2 つお伝えします。
栄養面での注意点
植物性ミルクはヘルシーなイメージがありますが、栄養面では牛乳と異なる点があります。
- 栄養価は製品次第
牛乳に豊富に含まれるカルシウムやビタミン D は、植物性ミルクには基本的に含まれていません。そのため、多くの製品ではこれらの栄養素が後から添加されています。栄養を期待する場合は、パッケージの成分表示をしっかりと確認することが重要です。 - タンパク質量
タンパク質を補給したい場合、豆乳は牛乳と同程度のタンパク質を含みますが、アーモンドミルクやライスミルクのタンパク質量は比較的少なめです。目的によって種類を選ぶ必要があります。
添加物や糖分について
製品によっては、飲みやすさのために砂糖や油、安定剤などが加えられているものもあります。
気になる場合は、無調整や砂糖不使用を選び、原材料を確認するとよいでしょう。
まとめ:植物性ミルクで、あなたの食生活をもっと豊かに

植物性ミルクは牛乳の代わりではなく、新しい選択肢と考えると楽しみ方が広がります。
いつものコーヒーで、気軽に試してみてはいかがでしょうか。
imperfect では、世界中の農家の方々と共に作り上げた、個性豊かなコーヒー豆を多数取り揃えています。
あなたの「おいしい」一杯が、世界の誰かの「うれしい」に繋がる。
ぜひ、私たちのコーヒーで、あなただけの最高のペアリングを探してみてください。

