夏が近づき、爽やかなアイスコーヒーが恋しい季節になりました。自宅でもカフェのような美味しい一杯が楽しめたら素敵ですよね。実は、ハンドドリップで淹れる「急冷式アイスコーヒー」なら、香り高くクリアな味わいを誰でも簡単に再現できます。
この記事では、初心者でも失敗せず美味しく淹れるための基本的なポイントや、具体的な手順を詳しく解説します。自分好みの美味しいアイスコーヒーを自宅で手軽に楽しんでみましょう。
アイスコーヒーを美味しく淹れるには、特に重要な3つのポイントを押さえることが大切です。
急冷式アイスコーヒーの最大のポイントは、最初に濃いめのコーヒーを淹れて、氷でちょうどよい濃さに調整することです。
ホットコーヒーと同じ濃さだと、氷が溶けた時に水っぽく薄まってしまうため、豆の量を普段より1.5倍〜2倍程度多めにするのが美味しく作るコツです。下記を目安にしてください。
種類 |
豆(粉)の量 |
抽出する液体量(お湯) |
氷の量(目安) |
実際の提供時液量 |
ホット |
約10〜12g |
約160ml |
ー |
約150ml(抽出ロス含む) |
アイス(1.5倍濃度 |
約15〜18g(標準16g) |
約120〜130ml |
約60〜70g |
氷込み約180〜200ml |
アイスコーヒーには深煎り豆がおすすめです。深煎りの豆は、苦味やコクがしっかり感じられ、氷で冷やしても風味が弱まりません。
浅煎り豆だと薄くなったように感じることもありますが、紅茶のように楽しむ人もいるため好みで選んでももちろん問題ありません。
深煎り豆ならではの力強さと香ばしさが、夏の暑い日にもぴったりです。迷った時は、深煎りのコーヒー豆を選びましょう。
急冷とは、淹れたての熱いコーヒーをたっぷりの氷で一気に冷やす方法です。コーヒーは抽出直後がもっとも香り高く、熱いうちに急激に冷やすことで、その風味を逃さず閉じ込めることができます。
逆にゆっくり冷やしてしまうと、香りが失われ、苦味や雑味が出やすくなります。急冷式なら、鮮やかな香りとすっきりとした味わいを楽しめます。淹れたてを氷で素早く冷やすことで、カフェのようなプロの味に近づきます。
美味しいアイスコーヒーを作るには、基本的な器具さえ揃っていれば自宅でも簡単に楽しめます。このセクションでは、ハンドドリップ式アイスコーヒーを美味しく仕上げるために必要な器具と、材料選びのポイントをくわしくご紹介します。
ハンドドリップでアイスコーヒーを淹れる際は、次の器具があると便利です。すべてを揃えなくても、美味しさに直結するものから徐々に揃えるのもおすすめです。
器具 |
用途とポイント |
ドリッパー |
コーヒーを抽出するための器具。円錐型や台形型が使いやすい。 |
ペーパーフィルター |
ドリッパーの形状に合ったものを選ぶ。紙臭さを避けるため湯通しする。 |
コーヒーサーバー |
耐熱ガラス製が使いやすく、目盛り付きなら抽出量も確認しやすい。 |
ケトル(細口ポット) |
お湯の注ぎ方で味が変わるため、湯量を調整しやすい細口がおすすめ。 |
スケール(はかり) |
豆の量やお湯の量を正確に計るために必須。風味の再現性が高まる。 |
器具選びに迷ったら、シンプルなデザインで使いやすいものを優先しましょう。最初はベーシックな道具を用意し、少しずつこだわりの器具を増やしていくのも楽しみ方のひとつです。
アイスコーヒーはシンプルな飲み物だからこそ、材料ひとつひとつの品質が美味しさに直結します。
まず、豆選びのポイントは焙煎度合い。深煎りの豆を使うと、冷やした際にも味がぼやけず、しっかりとした苦味やコクが楽しめます。アイス専用ブレンドもおすすめです。
次に、水は軟水を選びましょう。軟水は豆の繊細な風味を引き出し、カルキ臭がないため雑味も抑えられます。水道水の場合は浄水器を通した水を使いましょう。
最後に、意外と重要なのが氷の品質です。冷やすだけでなく溶けることで味に直接影響するため、不純物が少ない市販のロックアイスか、浄水器を通した水で作った自家製氷を使うのがおすすめです。
それでは、いよいよハンドドリップによるアイスコーヒーの具体的な作り方をご紹介します。初心者の方でも迷わないよう、ステップごとに分けて丁寧に解説していきます。
まずは、ドリッパーにペーパーフィルターをセットします。フィルターの紙臭さを取るために、熱湯を注ぎ、フィルターとサーバーを温めます。予熱のお湯は使わないため、注ぎ終わったら捨てます。この一手間で抽出温度が保たれ、より香り高く仕上がります。
ポイント:予熱する理由
豆の分量はアイスコーヒー1杯(約150ml)あたり、約18〜20gが目安です。通常のホットコーヒーより多めにするのが美味しさの秘訣。また、豆の挽き目は中細挽き程度がおすすめです。細かすぎると苦味が強くなり、粗すぎると薄くなってしまいます。中細挽きにすることで、濃厚ながらもすっきりとした風味を楽しめます。
項目 |
目安 |
コーヒー粉量 |
18〜20g(1杯分150ml用) |
挽き目 |
中細挽き |
お湯の適温は約90℃です。一度沸騰させ、少し落ち着かせたお湯を使います。まず全体の湯量(約100ml)のうち20〜30ml程度を粉全体に均一にかけ、30秒間じっくりと蒸らします。蒸らすことでコーヒー粉からしっかりと香りや旨味が抽出されます。粉全体がふっくらと膨らんだら成功です。
蒸らし後、残りの湯を2~3回に分けてゆっくり注ぎます。円を描くように優しく注ぐことで雑味を抑え、味わいが安定します。湯量は合計100mlになるように調整しましょう。抽出時間は蒸らしを含め2分程度を目安に、ゆっくり丁寧に行うことで、コクと透明感のある美味しいコーヒーになります。
抽出が終わったら、すぐにコーヒーサーバーに用意しておいた氷(約60〜70g)に注ぎ、一気に冷やします。この時、抽出したコーヒーの約半量と同程度の氷があると、適度な濃度と冷たさに仕上がります。氷が半分ほど溶ければ冷却完了のサイン。氷を入れたグラスに注いで完成です。
アイスコーヒーを作る際のよくある疑問に、シンプルにお答えします。
A. 氷が溶けて薄まるのを見越して、濃いめに抽出します。そうすることで、冷やしても香りやコクがしっかり残ります。
A. 苦味が強い時は抽出時間を短くするか挽き目を粗くします。薄い場合は豆を少し増やすか、挽き目を細かくすると改善します。
A. 浅煎り豆は酸味が出やすいので、挽き目を細かくして短時間で抽出しましょう。柑橘やベリー系の豆を選ぶと爽やかな味になります。
A. お湯の温度は約90℃がおすすめ。抽出時間は蒸らしも含め2分程度がベストです。短時間で手際よく淹れると美味しく仕上がります。
アイスコーヒーは、豆の選び方やちょっとしたアレンジでさらに美味しく楽しめます。ここでは、豆の選び方のポイントや、いつもの一杯を特別な気分で味わえる簡単アレンジをご紹介します。
アイスコーヒーの豆選びでは、焙煎度による特徴を知っておくことが重要です。
深煎り豆
浅煎り豆
初心者や迷った方には深煎りのブレンド豆がおすすめ。気分に合わせて焙煎度を変えるのも楽しみ方のひとつです。
いつものアイスコーヒーに少し手を加えるだけで、カフェのようなおしゃれなドリンクに変身します。
アイスカフェオレ
コーヒーソーダ(炭酸割り)
フレーバーシロップでアレンジ
その日の気分やシーンに合わせて自由にアレンジを楽しんでください。
アイスコーヒーには、ここまでご紹介した「急冷式(ハンドドリップ)」のほかに、「水出し(コールドブリュー)」という作り方があります。それぞれ特徴が異なるため、自分の好みやライフスタイルに合わせて選ぶのがおすすめです。
急冷式のアイスコーヒーの最大の魅力は、「淹れたての香りとクリアな味わい」です。お湯で短時間で抽出し、一気に冷やすため、香りが鮮やかに立ち、透明感のあるすっきりした飲み口になります。短時間(2〜3分)で作れる手軽さもポイントで、飲みたいと思ったときにすぐ作れるのも嬉しい点です。
水出しコーヒーは、水でゆっくり時間をかけて抽出(約8〜12時間)する方法です。低温でじっくり抽出するため、苦味や酸味が控えめでまろやかな口当たりが特徴。また、まとめて作り置きできる点も便利です。ただし、急冷式と比較すると香りの鮮やかさはやや控えめになります。
以下の簡単チェックを参考に、自分に合った作り方を選んでみてください。
急冷式が向いている方 |
水出しが向いている方 |
淹れたての香りを楽しみたい |
苦味の少ないマイルドな味が好き |
すぐ飲みたい、作り置きしない |
まとめて作り置きしたい |
透明感のあるすっきりした味わいが好み |
ゆっくり抽出したまろやかな味が好み |
どちらの方法も魅力があります。自分の好みや生活スタイルに合った作り方で、アイスコーヒーライフを楽しみましょう。
自宅で美味しいアイスコーヒーを淹れるのは、実は難しいことではありません。
ポイントさえ押さえれば、誰でも手軽にカフェのような一杯を楽しめます。
美味しく作るためのポイントは、
また、自分好みの豆を見つけたり、ミルクや炭酸などの簡単アレンジで楽しみ方も広がります。急冷式アイスコーヒーの魅力は、淹れたてならではの香りとクリアな味わい。忙しい日常の中でも、ほんの少しの手間で格別なコーヒータイムが生まれます。
今年の夏は、ぜひ自宅で本格的なハンドドリップアイスコーヒーを楽しんでみませんか?